(この写真の中に熊がいるはずです)
今年も楽しみな梅雨時恒例の、材料採取の季節がやってきた。 毎年岩手の友達が待っていてくれる。 友と友情を深め、自然と遊び、温泉で疲れを癒し、山菜のおみやげも嬉しい。 家族から熊が出るニュースが多いので、ラジオを持って行けだの、鈴では効き目がないだのと心配の声を背中に、いそいそ家を出る。 地元の友達からは「なーぬ、めったらことではあわね〜だ」と云われていた。 それでも最初は山の中ではラジオを付けて作業をいていたが、無事に終わる。
まわりにミズと云う山菜が沢山あり、これも夢中で採取し軽トラックに戻る。 細い山道にはキイチゴが黄色い実を付けていて、窓から手を出し取って食べてみる。 懐かしい味だ。
友人が「キイチゴは小グマの大好物で、夢中で食べているうちに親クマがそっといな くなり子離れするんだと」と話を聞いているその時、左5メートルほどにある木に 登っている大きなクマに遭遇。心臓がドキリ…….冗談でしょ! あわてて窓を閉める。木から下りた熊は20メートルほどで振り返り目と目が合う。 そしてゆっくりと消えて行った。車の中だったのでサファリパーク状態での遭遇。 もし車に乗っていなかったらと思うと………….! あ!カメラ….軽トラの後ろの荷台のリユックの中だったことに気づく。 「残念、皆に話しても証拠がないねえ、そうだ携帯で撮れば良かったな」 と話していたその時今度は右手にも大クマがいた。あわてて携帯を取り出して写し たが道はでこぼこ、気持ちは動転、良い写真が取れるはずはありませんでした。
時間が経つにつれ、熊に出会った事を自慢したいのですね。 その晩、温泉宿のフロントの人、給仕の女の人、泊まり客、電話で家人、友人に話して聞かせる。 話しているたびに、出くわした熊の体長がだんだん伸びるようだった。
♪あるう日 森の中 熊さんに 出あった…♪