鹿児島の旅

昨年の暮れも大みそかまで、われ鍋にとじ蓋夫婦(僕たちの事)は、せっせと働いた。
おかげで誰はばかることなく「恒例新年、休骨旅行」に出かけるのであった。

今回は「温ったか南九州フリー四日間」というもの。
のんびり砂風呂に入って焼酎を飲み、次の日も同じように温泉お酒の繰り返し......。
ところが働きアリ夫婦はそれが出来ない。
飛行機の中で一夜漬けならず一っ飛び漬けで薩摩を勉強し降りるころは
「西郷どんが故郷で、桜島ば景色よかよ、焼酎がうまかでごわす」

「温ったか南九州」はちっとも温かくなく、宿のある指宿の景色はまるで「冬のリビエラ」
♪やさしさが霧のように棕櫚の木をぬらしてる〜う〜♪

履いてきた靴は、Hさんから頂いたもの。
欧州アルペンの精霊が足を軽くしてしてくれているのか?
「クイズ」この写真はどうやって撮ったでしょうか?  (答えは最後に)


鹿児島観光は「一っ飛び漬け」では心もとないので、定期観光バスに乗ることにする。
桜島は今も噴火を繰り返していて、火山灰が車の屋根や街路樹の葉に積もっている。
ガイドさんがクイズで「1年に何回噴火しているか?」答え500回以上。
昔の噴火で鳥居が埋まっているのも見学。
「もう、帰ろうよ!」と皆さん思っているでしょうとガイドさん。
なれって恐ろしか!ああ震災列島!

桜島は鹿児島市内の島津家別邸「仙厳園」からの眺めが良かった。
桜島を築山に錦江湾を池に見立ててのスケールの大きい景色。
「胆の太か男が育つでごわす、でごわす」


仙厳園の「江南竹林」は日本最初の孟宗竹発祥の地。
たった300年前に中国から二本取り寄せたもので、ここから全国に広まったとか。
この繁殖力のすごさ、この竹の子の美味しさ。

「維新ふるさと館」が良かった。
島津の殿さん、西郷どん、大久保さ、などえらかった。
「尊王とか幕府とかいっちょるときか!国難ぞ!」
嗚呼!今の政治家たちの志の低さ、品格の無さ。
深いため息をついて、「維新ふるさと館」をあとにする。

レンタカーの観光は良い写真を撮るのに都合が良い。
カメラスポットを探しながらのドライブがうれしい。
道の駅で土地の産物を愛でるのが楽しい。
食品サンプルを楊枝で刺して口に入れるのが美味しい。
悪いと思ってニョウボが買うのはくやしい。

鹿児島旅行の大きな楽しみはうまい焼酎が飲めることだ。
枕崎の「明治蔵」では明治のころから手作りで焼酎を作っていて体験見学も出来
とても勉強(?)になったけど、ドライバーなので試飲出来ないのが辛い。

知覧の町並みは整然とした静かなたたずまいの中にあった。
「特攻平和会館」は当時の特攻隊員の遺書や遺品や写真が展示してある。
改めて戦争の悲惨さ残酷さが胸を突く。
アメリカ軍が撮ったフィルムには殆ど軍艦に突っ込むことなく途中で
撃ち落とされる戦闘機が哀れだ。

レンタカーを返し、最後の夜は町の料理屋で郷土料理と焼酎を静かに頂く。
「さて、今年は平穏で健康に過ごしたいね」
お湯割りの焼酎は心地良く胃の腑にしみていった。

「クイズ」の答え
鹿児島空港の屋上の写真の前にねっ転び、足を上げて撮りました。
「回答」の写真は江の島にて実演。