カラスウリの花が咲くと、思い出す人がいる。
竹の仲間では最初の女性。
控えめでおしとやかの彼女だが、好奇心旺盛で何にも前向きに附き合ってくれた。
一人暮らしの庭は草花であふれていて、花が咲くと籠に生けるようにと届けてくれた。
夏の終わり「これ、水にさしておくと素敵な花が夜咲きますよ」
と持って来てくれたのが、カラスウリの花のつぼみ。
その夜、白いレースの花が咲いた。
まるで想像しなかった美しい一夜花だった。
Yさんの作るものは庭に自生している黒竹と蔓にこだわり個性的なものばかり。
気にいった作品が出来ると嬉しそうに見せに来てくれた。
その笑顔が見られなくなってもう8年。
今年も懐中電灯を用意して烏瓜の花に会いに行った。
|