竹細工教室 秋の竹切     


秋の竹細工教室は忙しい。
何しろ生徒の教材の竹の採取と晒竹作業というのがある。

以前は伊豆の韮山まで慰安を兼ねて、二日がかりで行われた。
鎌倉から三、四十名の参加者が車10台に便乗し、竹切という肉体労働をこなし、
温泉で体を癒す間もなく、楽しい宴会へと続く。
次の日も竹林の整理をし、車に竹を積み込み、鎌倉まで2時間かけ帰る。
よくもまあ20年も無事故で楽しくやってきたものですね。(しみじみ)

昨年から地元鎌倉の竹に切り替えたことにより、心配事項は減った。
地主さんにも快く理解していただき、2年目を迎えた。
鎌倉の真竹もようやく青年期(真竹の一生は120年といわれている)に入り、
使える品質には該当するけれど、なにしろ竹林が荒れているので成りはいいが、
中身はまだまだ.....。
そこで、まずは竹林の間伐と整理に力を注ぐことに時間をかける。

竹林のある場所は、まるで隠れ里のような景色の良いところだ。
春の梅の香、桜花、たけのこ、栗、ミカンなど季節の移ろいの中、
時折、鎌倉野菜を育てているおばあちゃんの姿が一枚の絵のように和ませてくれる。
春は、気のいいおばあちゃんが梅の実を採らせてくれ、みんな大喜び。
秋も、いただいたミカンが疲れた体を癒してくれた。

竹林の作業は、立ち枯れの竹や密集している竹の間引きなど、きりがない。
整理された竹林に日が差し、風が吹き抜け、なかまの顔と顔が合うとみんな笑顔になる。
達成感からか、汗が心地よい。
お腹が空いているので成し遂げだ仲間との弁当は旨い。
何といっても僕たち秘蔵の隠れ里の風景を見ながらの贅沢な食事!
きれいになった竹林の上の青空にトンビがくるりと輪を描いた。
                  (写真提供は塩沢さん)

★
★
★
★
★
★