竹の照明

      スノーディさんは表参道にオフィスを構える若いアメリカ人の社長さんだ。
      秘書の方から僕のホームページを見て竹の照明を作ってもらいたいとのこと。

      希望のイメージと置く場所の写真を送ってもらい、デザインを考える。
      粘土でいくつか形を作り、写真に撮り選んでいただく。

      ああ!一番変わった形のデザインが採用されてしまった。

      云う事を聞かない頑固な竹をなだめすかし、やっと編み上げた。

      「アメリカの雑誌社の撮影があるので出来れば間に合せてほしい」という約束の日、
      山中湖の別荘へドライブがてらお届けする。

      広大な緑に包まれて「かやぶき屋根の由緒ある家を移築した」という屋敷は
      黒光りの柱や梁、白い壁、古い重厚な家具、調度品が気持ちを落ち着かせる。

      スノーデイさんの3〜4歳の二人の子供たちが可愛らしい声を上げた。
      僕の照明はまるで「座敷わらし」のように屋敷になじみすっぽりと収まった。