ビッグなビッグな竹の照明器具

M社の小栗さんの一本の電話から悩みが始まる。
今まで作ったことの無い大きさの照明器具の注文だ。

直径65センチ 長さ5メートル の照明器具 2個
その他1.4メートルの行灯型ライト

何しろ、最低でも長さ5メートル、幅2ミリのひごを大量に作らなければならない。
5メートルのひごを作るのには、10メートルの平らなスペースがいる。
これには塩ビの波板を庭から家の中まで並べて何とかクリア。

編むのにもスペースがいるが、家の中では到底無理なので店先で編む。
通りすがりの人が立ち止まって「何を作っているんですか?」
と必ず聞いていく。なかなか仕事をさせてもらえない。
全部が完成するまで家じゅう占領され、夜はこの中で寝る(これはウソです)

約束の日、愛すべき厄介な居候が去っていくようで、寂しいような、
ほっとしたような気持ちで4トン車を見送った。

後日、小栗さんから、とても上手くいったとのお褒めの評価をいただく。

そして「今回に懲りず、また新しいことに相談に乗っていただけると
うれしいです」と作り手冥利な言葉に、嬉しさがこみ上げて来た。