いかんばりにはまる

                  一閑張りにはまる
久しぶりに一閑張りの創作を楽しみました。
友人から明治初期の頃の画家を目指していた人の直筆の下絵を頂いたことがきっかけです。

歌舞伎絵や植物画などで、描いた方の気持ちに沿って色を付けてみました。
書は亡くなられた書道家の家族から頂いたもの。

それに以前から集めていた明治の頃の教科書、大福帳などでの下張りはカミさんの仕事。
その教科書には(明治7年師範学校用)すでに月食やピタゴラスの定義などが載っていて、
当時の教育に対しての熱い心意気が伝わってきます。

大福帳も(げた...何銭)(子供の駄賃....)庶民の暮らしぶりがうかがえて、
「ねえ、ねえ見て見て...面白いよ!」しばし手が止まることたびたび。

防水加工、柿渋を塗って完成。
僕自身の絵や版画のオリジナル作品も加え、楽しい仕事になりました。

作業に没頭している僕たちは「まるで昔の傘張り浪人夫婦だね」

本来の竹の仕事に戻ったものの、気にいっている作品が売れてしまうと淋しくなり
また作りたくなります。
だから和紙や絵の具やもろもろ広げた部屋のひと隅がまだ片づけられません。