鎌倉駅「風凜」の竹の灯り

             鎌倉駅の二階に和食の店「風凜」がある。
             駅の店舗全体のリニューアルに伴い店も新しく生まれ変わることになる。
             地の魚、地の野菜が地のおねーさんのもてなしで美味しく頂ける。
             そして地のオーナーは地の建築会社、照明は地の僕に仕事をさせてくれる。
             海の上に浮かぶ雲の形に風と波のイメージをかさねてみた。
             作りながら遊び心で一センチ位のカモメを密かに和紙に貼り、忍ばせ飛ばせる。
             長さ5メートル20センチの竹と和紙の灯りが、ケヤキの一枚板の
             カウンターを照らす。
             洒落の解る友達や知人に店に食べに来てもらって「さあ、何羽発見できるかな!」
             僕がお店にお客を誘う密かな魂胆です。      
            オーナーも気に入っていただいたようで、「駅前広場からも見える四つの灯りも
            何とか頼むよ」とオーダーを頂く。
            予定していた照明器具を取りやめての事なのでよけい嬉しい。

            駅前に回って二階を見ると「風凜」の看板の横に
            僕の作る灯りが四つ並ぶことになる。
            「ん?〜.....これ、決まり、風鈴でしょ!」
            風に吹かれる「風鈴」のイメージで作ることにする。
            それぞれ四つの風鈴にも密かに切絵を忍ばせました。
            どんな動物がいるか、探せるかな?
            ぜひお店に行って美味しい食事を待つ間、発見をお楽しみください。
            そして僕の魂胆にはまってください。

              店のオープンの日にこのホームページに載せる写真を撮りに行った。
              「どうぞ、どうぞ」お店のスタッフの人達もきびきびしていて気持ちが良い。
              カウンターにはお刺身と日本酒の人、葉山牛のステーキにビールのカップル、
              煮魚をつまみながらの一人酒、
               みんな美味しいものを食べているときは幸せそうだ。
              そうだ、かみさんと来なくちゃあ!(和紙を貼ってもらった同志だから)

              「あの〜僕、この灯り作ったものですが写真撮って良いですか?」
              「へ〜竹と和紙でねえ...すごく良いね、店に合ってる」
              「じゃあ、灯りの中にカモメが飛んでいるのが解りますか」
              話を聞いていた他の人達も「あ!ここにいました!」「ここにも!」
              笑顔と笑顔がつながり僕は嬉しくなる。
              ようやく鎌倉は春を迎えようとしている。